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登録建築家

今月の建築家は 志柿敦啓 さんです。 (2007/11/01)

志柿 敦啓 <Atsuhiro Shigaki>
経歴    
  1991年 早稲田大学理工部建築学科 卒業
    1993年 早稲田大学大学院建築史研究室 修了
    1993年 株式会社竹中工務店 設計部 勤務
    2002年 志柿敦啓建築設計事務所 設立 
    2005年〜 関西大学 非常勤講師
    SDレヴュー2003入選、AICAジョリパッド施工例コンテスト 優秀賞
    他多数受賞
アーキッシュギャラリーでの施工例
  兵庫県神戸市 T邸
兵庫県西宮市 M邸
大阪市住之江区 K邸
他多数
志柿敦啓
新しく建てた住宅に長く住み続けたい。当たり前に思える願いですがこのことをもう一度よく考え直すと、実は最近の住宅が忘れてしまったとても大切な問題が見えてきます。何百年という耐久性のあるコンクリートを使っても、実際それだけの年数をその家に住み続けるだろうかと考えると疑問ですよね。何百年どころか自分の子供の世代、ことによると自分自身数十年本当にその家に住んでいたいと思うだろうか。しかし、例えば数十年毎に手を加えないともたない木造住宅に何百年に亘り人が住み続けているところに、何か永く住まうためのヒントが隠されているように思うのです。古い民家を訪れたとき、人はまず最初に上を見上げます。大きな小屋組みがあって、普段暮らしている家には無いとても魅力的な秘密めいた天井の高さがある。この小屋組みは変化に富んだ家族の生活を包容して何百年変わらずに訪れた人や家族の記憶に残る場所になっているわけです。
私がトップライトや吹抜をつくったりするとき、実はそんな思いをこめているのです。日々めまぐるしく忙しい生活をしていても、トップライトの光は変わらず静かに時を刻んでくれています。やんちゃなお子さんたちが家の中を走り回るのを、大きな吹抜がゆったりと包容してくれています。他にもいろいろと方法はありますが、そんな場所がご家族にとって、家の記憶として残っていくのではないでしょうか。
お施主さんとの打ち合せはとても楽しいものです。どんなキッチンにしようか?壁の色は?床はやっぱり無垢の木を使って…。私も好きですから一緒になって楽しみながら決めていきますし、とても大切なことです。でも、こういったことのほとんどが趣味の問題ですよね。趣味は5年後に変わっているかもしれません。他にも使い勝手の良いプランにして欲しい、カッコいい家にして欲しい、コストをできるだけ抑えて欲しい。こういった要望を望みどおりに実現することもとても大切です。そのためにあらゆる可能性や方法を考えて、出来る限り要望が叶うように努力をします。でも、「使い勝手」や「カッコいい」も、次の世代も同じように思うかどうか。ですから、こういう打ち合せをしながら、このご家族はどこを大切に思ってくれるかな?10年後に間仕切りを変えたり、改修したりしたとしたら、ここだけはそのままに残そうよって言ってくれるかな?ということをいつも頭のもう片一方で考えながら打ち合せをしています。こういうことを考えて実現するのが建築家の本当の役割なのかなと思います。こんなふうに考えると、住宅を建てるということは、やっぱり凄いことだなって思います。よく住宅は一生の買い物と言いますが、人生賭けてよかったって思ってもらえるものにしたいですよね。ことによると、お子さんが大きくなってから、お父さん、お母さんはこんな家をつくって偉いって。少なくともそんなことを言ってもらえる可能性のある住宅をお施主さんと一緒に実現していきたいと思っています。

株式会社アーキッシュギャラリー