和モダンの家 実例 [1963]|アーキッシュギャラリー

竹林の中で佇む家
岐阜県
CATEGORY
和モダンの家
- 敷地面積
- 1289.24 m²
- 構造規模
-
木造 1階建
- 設計
- 鵜飼昭年
- 施工
- 名古屋支店
この敷地を訪ねた時、門の奥に蔵と数寄屋建築、2階建の旧住居、背後の竹藪があり、昔話の場面のような空間に感動しました。
旧住宅の内部には、おじいさんの本や家具があり、黒板には文字まで残されていました。そこに、孫娘さんがナチュラルでセンスの良いしつらえを加えて暮しておられました。構造上建物の保存が難しかったものの、古い建具などを再利用することで、その周りにまとっていた空間や時間、記憶を新しい住まいに写し取って持っていけたらと考えました。
プランは平屋のコンパクトにし、背後の竹藪の存在をより強調し、内部からも借景でき、葉がすれ合う音や風が抜けるようにスリット窓と無双窓をしつらえました。旧住居の温かく、好ましい記憶を再生する箱と、その箱を取り囲むように白い板状の要素を外側からまとわせました。古い建具や棚、家具が醸し出す記憶によって再現される空気はまといの白い壁によって一つ一つのシーンに分節され、映画のひとコマのようです。